りなざうに大容量HDDを接続する

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SL-C700、SL-C760 に PC で使われているような 3.5 インチや、2.5 インチの大容量ハードディスクを接続して使ってみました。


IDE インターフェイス PC カード

一般的なハードディスクは IDE 接続ですので、Linux ザウルスに接続するためには IDE インターフェイスを提供してくれる CF カードなどを用意する必要があります。しかし、実際にはそんなカードはありませんので、ここではダイヤテックの CF to PCMCIA アダプター CTOP を介して、アイ・オー・データ機器の IDE インターフェイス対応 i・CONNECT オプション PC カード CI-iCN を接続し、ここに i・CONNECT 対応の 3.5 インチ HDD ケースや、2.5 インチ HDD ケースにハードディスクに入れて使うことにします。

CI-iCN と CTOP

この CI-iCN はうれしいことに SL-C700 や SL-C760 で一般的な CF メモリーカードと同様に認識してくれるので、ソフトを特に用意しなくてもそのまま使えるので便利です。ただし、Linux ザウルスで使用する際はカード側面のモードスイッチを 16bit にしておく必要があります。


3.5 インチ HDD ケース

i・CONNECT 対応の 3.5 インチ HDD は HDA-iU シリーズや、HDA-iE シリーズなどがありますが、今回は手持ちの 3.5 インチ HDD を使いたかったので、挑戦者の 3.5 インチ HDD 外付けケース SOTO-3.5iEMaxtor の 3.5 インチ ATA ハードディスク DiamondMax 16 の 4R120L0 を入れて利用しました。5400rpm 120GB モデルです。尚、SOTO-3.5iE は現在後期型が出ていますが、今回利用したのは前期型です。以下は接続後の dmesg の一部です。HDD を CS (Cable Select) に設定していると下記のように /dev/hdb で認識してしまうので、必ず MASTER にしておく必要があります。

ide_attach()
ide_config(0xc35ee180)
Trying to free nonexistent resource 
Trying to free nonexistent resource 
hdb: Maxtor 4R120L0, ATA DISK drive
ide0 at 0xf6000188-0xf600018f,0xf6000386 on irq 39
hdb: 240121728 sectors (122942 MB) w/2048KiB Cache, CHS=238216/16/63
Partition check:
 hdb: unknown partition table
ide_cs: hda: Vcc = 5.0, Vpp = 0.0
SL-C760 に 3.5 インチ HDD を接続 SL-C760 で 3.5 インチ HDD を認識した状態

判りやすいように HDD をケースに入れただけの状態で組み立てずに Linux ザウルスに接続してみました。後述する方法で既にフォーマットしてありますので、ちゃんと 120GB 認識しています。


2.5 インチ HDD ケース

i・CONNECT 対応の 2.5 インチ HDD は現在発売されていませんので、挑戦者の 2.5 インチ HDD 外付けケース SOTO-2.5iHTOSHIBA の 2.5 インチ ATA ハードディスク MK0803MAT を入れて利用しました。8.45mm 厚 815MB モデルです。以下は接続後の dmesg の一部です。

ide_attach()
ide_config(0xc392d480)
hda: TOSHIBA MK0803MAT, ATA DISK drive
ide0 at 0xf6000188-0xf600018f,0xf6000386 on irq 39
hda: 1592640 sectors (815 MB) w/128KiB Cache, CHS=1580/16/63
 hda: [PTBL] [790/32/63] hda1 hda2 < hda5 >
ide_cs: hda: Vcc = 5.0, Vpp = 0.0
SL-C760 に 2.5 インチ HDD を接続 SL-C760 で 2.5 インチ HDD を認識した状態

Windows 95 (OSR 2) で FAT16 フォーマットされていたので、そのまま認識しました。もちろん、後述する方法で FAT32 フォーマットしても使えるかと思います。

HDD の電源を Linux ザウルスから供給する

今回使用した SOTO-2.5iH はカードからの電源供給に対応した製品です。挑戦者の PS-iC や、アイ・オー・データ機器の CBIDEIIA は、CI-iCN にカードからの電源供給機能を付加したものに相当しますので、これを使ってみました。

SL-C760 から 2.5 インチ HDD に電源を供給して利用

Linux ザウルスに AC アダプタを繋いだ状態ならば問題ないとは思いますが、意外にもバッテリーでも特に問題なく使えてしまいました。もちろん、一般的な CF カードと比べて電池の消耗は大きいとは思いますが、結構使えてしまいます。


ハードディスクのフォーマット

Windows で FAT32 フォーマットをしても Linux ザウルスでは認識しないことが多いようです。そこで、Linux ザウルス単体で HDD フォーマットをする手順をまとめてみました。HDD だけでなく、マイクロドライブや CF メモリーカード等でもそのまま通用するかと思います。

  1. fdisk をインストールします。armutils に含まれる fdisk は 20GB 以上の HDD を扱えないので注意してください。
  2. HDD を接続します。
  3. ターミナルを開きます。
  4. 以下のように操作して、HDD をアンマウントします。HDD が使えない状態でマウントされていない時は「umount: /usr/mnt.rom/cf: Invalid argument」と表示されますが、特に問題はないので無視します。
    bash-2.05$ su
    # umount /usr/mnt.rom/cf
    
  5. 以下のように操作して、fdisk を起動し、HDD の状態を表示します。
    # fdisk /dev/hda
    
    Command (m for help): p
    
    Disk /dev/hda: 2 heads, 16 sectors, 123 cylinders
    Units = cylinders of 32 * 512 bytes
    
       Device Boot    Start      End    Blocks   Id  System
    /dev/hda1   *         1      122      1944    1  FAT12
    
  6. /dev/hda1 で始まる表示が出なかった場合は、HDD は領域確保されていませんので、無視して次へ進みます。出た場合は、以下のように操作して、領域を削除します。複数の領域があった場合は、以下の操作を何度か繰り返して、全ての領域を削除します。
    Command (m for help): d
    Partition number (1-4): 1
    
  7. 空になった HDD に対して、以下のように操作して全ての領域を確保します。
    Command (m for help): n
    Command action
       e   extended
       p   primary partition (1-4)
    p
    Partition number (1-4): 1
    First cylinder (1-123, default 1):
    Last cylinder or +size or +sizeM or +sizeK (1-123, default 123):
    Using default value 123
    
  8. 以下のように操作して先ほど確保した領域をブート可能にし、システム属性を FAT16 に設定します。
    Command (m for help): a
    Partition number (1-4): 1
    
    Command (m for help): t
    Partition number (1-4): 1
    Hex code (type L to list codes): 6
    
  9. 以下のように操作して、HDD に実際に書き込みます。
    Command (m for help): w
    The partition table has been altered!
    
    Calling ioctl() to re-read partition table.
    
    WARNING: If you have created or modified any DOS 6.x
    partitions, please see the fdisk manual page for additional
    information.
    Syncing disks.
    
  10. 以下のように操作して、FAT32 フォーマットします。下記のように特に違うメッセージが出なければ無事終了しています。尚、80GB や 120GB 等の大容量 HDD の場合は SD カードに 128〜256MB 程度のスワップが無いと、FAT テーブルのイメージ(?)が作成できず、メモリ不足で実行できないことがあるので注意してください。また、「-F 32」を付けずに実行すると FAT16 でフォーマットされます。
    # mkfs.vfat -F 32 /dev/hda1
    mkfs.vfat 2.8 (28 Feb 2001)
    # 
    
  11. HDD を一旦外してから、再度接続し、正しく認識されることを確認します。

謝辞

掲示板で、(び)さんコグさんえぼ6.5さんからも情報を頂きました。ありがとうございます。特に(び)さんの「SL-C760 で MicroDrive(4GB) をマウントする」は凄く参考になりました。ここを見て、もしかして認識しない HDD も同様にフォーマットできるのでは?と思いつきました。


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