NetBSDをPC110にインストールする

NetBSDLinuxFreeBSDと 同じPC-UNIXの1つです。 ここではNetBSDのIBM PC/AT互換機版である NetBSD/i386PC110 にインストールする手順について説明します。

この例ではNetBSD/i386 1.3.3について説明していますが、 最新版の1.4.1でもほとんど変わりはありません。

128MBコンパクトフラッシュを導入したので、早速Windows95を 入れてみました。NetBSDをインストールする際でもWindows95の デバイスマネージャから得られる情報は何かと便利かと思います ので、インストール方法を目次に加えてみました。NetBSDを入れる 手順はまた今後書こうと思います。

目次:

インストールするPC110について

ここではPC110のYDWモデルにインストールします。 つまり、インストール先は260MBのハードディスクカードです。 他のモデルを使用する場合は以下の注意を参考にしてください。


PC110の設定を変更する

HDDカード等のPCカードにインストールする場合は DOSからps2 _@pcic dと入力してPCMCIAスロットを認識 しないようにしておきます。こうしておかないと、NetBSD を起動してPCMCIAスロットを認識した瞬間、起動ディスク であるPCカードを認識しなくなり、ハングアップします。 PS2コマンドの詳細 は、 でじやまさんのページ が判り易くて 良いと思います。

あと、当たり前ですがEASY SETUPでPCカードから起動 できるようにもしておかなければなりません。


NetBSDの起動ディスクをつくる

NetBSDのFTPサイト から rawrite.exeboot-small.fs をダウンロードし、同じディレクトリに置いておきます。 そして、1.44MBでフォーマットしたFDを用意し、rawrite.exe を起動、boot-small.fsと入力してリターン、次にaと入力して リターンを押すと起動ディスクが作成されます。

ただし、インストール時にSCSIカード、LANカード等を使用 してインストールを行いたい場合は boot.fs を使用してください。(ちなみにboot-small.fsは1.3.3の場合 です。1.4.1ではboot-tiny.fsでした。)


NetBSDのインストールを開始する

NetBSDがFDから起動したら、インストールメニューが 出ているはずですので、a: Install NetBSD to hard disk を選択します。次にb: Yesを選択すると、ドライブ選択 の画面になります、wd0は内蔵の4MBフラッシュのハズです ので、通常はwd1を指定します。

次はb: Continue with installを選択しますが、 a: Reenter geometryしか選択できない場合は選択して、 各値をデフォルトのまま入力します。次にa: IDEを選択、次に a: Noを選択、次にa: Use only part of the diskを選択しま す。(インストールするディスクを全てNetBSDで使用する場合 で、SCSIカードやLANカード等でCD-ROMや、ネットワーク経由 でインストール可能な場合はb: Use the entire diskを選択 します。)


NetBSDとDOSのパーティションを設定する

次にNetBSDやDOSのパーティション(領域)を設定する為に まずは単位を決めます。通常はメガバイト単位で決める方が 楽でしょうから、a: Megabytesを選択します。不都合がある 場合や細かく設定したい場合は他を選択してください。

次にa: Edit partition 0を選択し、a: Kindを選択、 a: NetBSDを選択、b: Start and sizeを選択し、startに0、 sizeにNetBSDに割り当てる領域のサイズを入力します。 この時、DOSで何メガバイト割り当てるのか考えた上で入力 しないと、後でDOSの領域が足りない事になるので気をつけ ます。そして、d: Partition OKを選択します。

次にb: Edit partition 1を選択し、a: Kindを選択、DOS 領域が32MB以上ならばc: DOS > 32 Meg、32MB以下なら b: DOS < 32 Megを選択します。そして、b: Start and size を選択して、startに先ほどNetBSD領域を決める時に入力した sizeを、sizeにDOS領域のサイズを入力します。sizeは多少大 きな値を入力しても、ちゃんと正しい残りサイズに合わせて くれます。次にd: Partition OKを選択して、x: Exitを選択 します。


NetBSDで使用する各領域の大きさを設定する

次にNetBSDに割り当てられた領域をNetBSDでどう使うかの 設定を行います。まず、c: Customを選択します。(SCSIカー ドやLANカード等でCD-ROMや、ネットワーク経由でインストー ル可能な場合でHDD容量が十分にある場合は他を選択してもか まいません。)

そして、NetBSD本体の入るルート領域の大きさを聞いてき ますので、インストールするディスクの大きさを考慮して入力 します。次にスワップ領域の大きさを聞いてきます。これは メインメモリと同じサイズ以上(通常はメインメモリの2倍) を指定します。最後に他の領域の大きさを聞いてきます。判ら ない場合はスワップ領域に何メガ取るか決め、残りを全てルー ト領域にし、他の領域は全て0で良いと思います。


NetBSDからDOS領域が見えるように設定する

次にNetBSDからDOS領域が見えるようにする為の設定を行います。 a: Change a partitionを選択し、 先ほど、ルート領域とスワップ領域しか取らなかった場合は、画面 に出ている領域の一覧でe:以降が空いていると思いますので、e:に DOS領域を割り当てます。e: Edit a partition eを選択し、 FStypeにmsdosを選択、Offset & SizeのoffsetとsizeにDOS 領域を作った時のstartとsizeを指定し、b: Partition are ok を選択します。次にハードディスクの名前を聞いてきますが、 そのままリターンキーを押してもかまいません。最後に本当に これで良いか聞かれるので、b: Yesを選択します。


配布ファイルの選択

次にb: Custom installationを選択します。ディスク容量 が十分にある場合はa: Full installationを選択してもかま いません。次にa:~j:の内容をインストールするかどうか聞 いてくるので、それぞれの項目でリターンキーを押す事で、 画面左のYesとNoを変化させ、インストールする内容を選択 します。ディスク容量が全然なければ、Kernel、Base、 System (/etc)以外の全てをNoに、余裕があればCompiler、 Text tools、Manuals等の順に追加すれば良いと思います。 選択が終われば、x: Exitでリターンを押して、次に進みます。

配布ファイルをどこからインストールするのか聞いてくる ので、CD-ROMやネットワーク経由でのインストールを行えない 場合はg: noneを選択した後、FDをDOSの起動FDと入れ替えて、 shutdown -r nowと入力し、次の章に進んでください。

CD-ROMを使う場合は、c:cdromを選択し、

device:    cd0
directory: /NetBSD-1.3.3/i386/binary/sets

CD-ROMのデバイス名と、配布ファイルのあるディレクトリ が正しければ、c: Continueを選択します。CD-ROMは認識され た順番にcd0、cd1となりますので、通常はcd0で良いと思いま すが、CD-ROMによっては配布ファイルのあるディレクトリが 違う場合があるかと思います。そういう場合はb: Directory で配布ディレクトリを入力し直してから、c: Continueを選択 してください。

その他の方法で配布ファイルをインストールする場合は 簡単ですのでメニューを選択し、各項目に答えていって下さ い。尚、フロッピーディスクでのインストールについては私 はやった事ないし、異様に手間だと思いますのでおすすめは しません。

尚、g: none以外を選択して配布ファイルをインストール する場合は、次と、その次の章の処理は不要です。


NetBSD配布ファイルの準備

FD等からDOSを起動し、FORMAT D: /u等として先ほど作成した DOSの領域をフォーマットします。後々、このDOS領域にDOS等を インストールし、ブートセレクタを使用すればNetBSDをDOS等の どちらでも起動できるようにもできます。

ここにNetBSDのFTPサイトやCD-ROMから配布ファイルをコピー します。後で判りやすいように各ファイルはディレクトリを 作らず、ルートに入れてやるようにします。

必要なファイルはFTPサイトから落とす場合であれば、 pub/NetBSD/NetBSD-1.4.1/i386/binary/sets ディレクトリの中 にあるtgzファイル全部になりますが、インストールする内容の 選択でNoを選択したものは必要ありません。(それぞれの名前 は先ほどメニューに出ていたものと酷似しているので判ると思います。) 最低限、kern.tgz、base.tgz、etc.tgzは必要です。


DOS領域の配布ファイルをインストール用に指定する

再度、NetBSDの起動ディスクから立ち上げます。 e: Utility menuを選択し、run shを選択し、以下のコマンド を入力します。

# mount -r -t msdos /dev/wd1e /mnt2

上記のコマンドはwd1にインストールし、eにDOS領域が見 えるように設定した場合です。正しくDOS領域がマウントでき ればexitと入力し、c: Re-install sets or install additional sets を選択し、b: Yesを選択、先ほどと同じようにドライブ選択の 画面になるので、wd1(先ほどと同じ指定)を入力します。

次にb: Custom installationを選択します。ディスク容量 が十分にある場合はa: Full installationを選択してもかま いません。次にa:~j:の内容をインストールするかどうか聞 いてくるので、それぞれの項目でリターンキーを押す事で、 画面左のYesとNoを変化させ、インストールする内容を選択 します。ディスク容量が全然なければ、Kernel、Base、 System (/etc)以外の全てをNoに、余裕があればCompiler、 Text tools、Manuals等の順に追加すれば良いと思います。 選択が終われば、x: Exitでリターンを押して、次に進み ます。

次にf: local dirを選択し、ディレクトリとして先ほど DOS領域をマウントした/mnt2を指定します。


NetBSD配布ファイルのインストール

次にa: Noとすれば配布ファイルがインストールされます。 終わったらa: okと表示されるのでリターンを押します。次に a: okとまた表示されるのでリターンを押すと、インストール は終了です。最初のメニューに戻ってきますので、 d: Reboot the computerを選択して、再起動するとNetBSDが 起動されるはずです。

起動後、login: と表示されず、# と表示される場合は、 ed /etc/rc.confと入力後、 1,$s/rc_configured=NO/rc_configured=YES/と入力、 wと入力、qと入力した後、shutdown -r nowと入力すれば、 再起動して今度はlogin: と出てくるはずです。


NetBSDの初期設定

まずはrootでログインします。パスワードは最初設定 されていないので聞いてきません。

shutdown -h nowでシステムを停止できます。Please any keyとか表示されたら電源を切っても大丈夫です。


NetBSD関連のリンク集

日本NetBSDユーザーズグループ
日本でのNetBSDの公式サイトです。 本家サイトの日本語訳や、 日本語で書かれたNetBSD関連サイトへのリンク集 もあります。
NetBSD公式サイト(英語)
NetBSDの本家本元の公式サイトです。常に最新の情報が 流れており、日本語訳が間に合わない場合もありますので、 英語がわからなくとも見るだけ見ておくと良い事があります。
NetBSD公式FTPサーバー(日本)
ここからNetBSDを入手できます。最新版である1.4.1 のIBM PC/AT互換機用の場合は NetBSD/NetBSD-1.4.1/i386 のディレクトリに格納されており、起動ディスクを作る為の rawrite.exeはその中の install/misc/ rawrite.exeに、起動 ディスクのイメージであるboot.fs等は install/floppy/ boot.fsにそれぞれ格納されています。base.tgz等の配布ファイルは binary/sets の中にそれぞれ格納されています。

PC110関連のリンク集

きしもとさんのPC110リンク集
PC110に関する情報は全てここから入手できるといっても 過言ではないくらいのリンク集です。ほぼ毎日のように更新 されており、各PC110関連ページの更新チェックもここを見る だけで出来てしまうくらいです。私も毎日お世話になってい ます(笑)
でじやま's Home Page
PC110に関するテクニックが満載です。ここにはHP200LXや X68000関連でもお世話になっています。
worry's webpage
PC110へLinuxをインストールされています。ここのページ のおかげでPCカードスロットを無効すればいいという事が判り ました。ありがとうございます。
おもちゃ箱
松田さんのページです。こちらはPC110にFreeBSDをインス トールされています。ここでPCカードスロットに差したHDDカ ードが起動時に問題になる事があるのを知りました。
としのホームページ
PC110に関する技術的なレポートや、ハードの改造に関す る情報が揃っています。32MB化やWindows95関連の情報にはか なりお世話になっています。
T.Mi 's Home Page
PC110に関する総合的な情報や、周辺機器の情報が数多く の写真とともに紹介されています。FAQ&Tipsのページは必見。

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