と、言うことで、買ってきました。
なんか、バレンタインのチョコみたいなパッケージですな。いや、時期を考えると SHARPからのクリスマスプレゼントとでも言った方が良いかもしれませんが。
ちなみに、ほんまかどーかは知りませんが、発売日当日に量産出荷が間に合わず、 11/10には予約分だけ無理矢理仕上げて出荷したとか言う話を聞きました(^^;)。
まぁ、せいぜい2、3日遅れ程度で、週末には間に合うそうですが・・・。ちなみに、それでも某店の初回入荷数は三台ぽっきりだそうです(汗)。
@外観
さて、まず外観ですが、確かにぱっと見でも SL-C760よりも大きく、分厚くなった印象があります。
特にビュースタイルで触ってみると、まさに弁当箱(^^:)。
・・・なんですが、実際に実機を並べて比べてみると、実の所は殆ど変わってないことが分かります。
並べて真上から
高さも一緒だったり
実際、今まで使ってたインナーケース、及びウェストポーチに何の違和感も無く、すっぽりと収まってます。
すっぽり(^^)
結局のところ、このへんはデザインの違いが大きく響いているようです。
SL-C760の下縁部が切れ込んだ形状になっているのに対し、 SL-C3000は真っ直ぐ切り立っているため、文字通りブロック状です。
また、キーボードの枠部分が液晶保護のため、盛り上がって土手状になってることも、より本体を分厚くみせている要素では無いかと。
・・・実の所、むしろ分厚くなってるのは液晶の方だったりします。
何故か分厚くなった液晶(^^;)
ちなみに、HDD搭載で気になるのが本体の重量ですが、箱に書かれている重量で比べると SL-C3000が 298g、SL-C760が 250gと、公証でも確かに重くなってます。
4GBマイクロドライブ単体の重量が 16g(I/Oデータのページより)であることを差し引いたとしても、若干重くなったのは否めない事実かと。
正味 32gの重量増加を大きいものと取るか、些細なものと取るかは、完全に個人の主観になるかと。・・・まぁ、本体重量300gのもんで、30gっつーたら一割増しなワケで、そう考えると大きいっちゃあ大きいんですが(苦笑)。
また、外観と言うか、ハードウェア的な変更部分として、 既知の通り、 HDDの内臓に伴いメールの着信ランプが HDDのアクセスランプに変更になりました。
なんですが、実は設定タブのライト/省電力設定から従来と同じくメールの着信ランプとして使用する設定も可能だったりします。
ライト/省電力設定
また画面に映ってる通り、蓋を閉じると電源をオフにすると言う設定が出来るようになりました。この機能はデフォルトでオンになってます。実際使ってみると何気に便利(^^)。
@I/Oポート(オプションポート16)
こっそり・・・つーか、割と堂々と背面に装備されてます(笑)。
SL-A300付属のUSBアダプター(CE-UA1)を経由して、ACアダプターを繋いでみましたが、充電は開始されませんでした。
さらに、こっちの USBポート経由で PCに接続してもデフォルトでは反応はありません。
CE-UA1を繋いで見る
とりあえず、元に戻すとカバーの付け外しが面倒なんで、開けたついでに今までの I/Oポートカバーに嵌め替えちゃいました。これでばっちり(笑)。
ぴったり(^^)
@添付CD-ROM
添付CD-ROM
これまでと違い、添付の CD-ROMが二枚組になりました。まぁ、ぶっちゃけ増えた分は、まんま辞書データだったりするんですが。
内臓辞書は、 ROM化されているワケではなく、ブンコビューワ等と同じく、完全消去(フォーマット)時は、この CD-ROMから入れ直す形になっています。逆に言えば、不要であれば辞書データ分の容量を空けることも可能なワケで、そういう意味では非常に有難い仕様と言えます(^^)。
@プレミアムCD-ROM
プレミアムCD-ROM
SL-C3000デビューキャンペーンと題して、配布される(らしい)CD-ROMです。一応、非売品。
内容的には、「モバイルマップNavi」と「乗換案内 for Zaurus <10月版>」の二本のソフトが収録されています。
収録内容
「モバイルマップNavi」の方はモバイルマップNaviサービス(400円/月)に入会すれば、地図のダウンロードが可能となります。
初期データが一部限定されているとは言え、どちらも正式版のソフトであり、なんか凄いトクした気分(^^)。
@その他、付属品など
ACアダプタは SL-C700から添付されてるものと全く同じです。つか、型番まで一緒やし(笑)。
その他、 USBのシリーズA−ミニBのケーブルが同梱されています。いわゆる、PC接続ケーブルになる訳ですが、汎用品がそのまま挿さるのは何かと便利です。
SL-C860から搭載された USBマスストレージ機能が、より簡便に使えるようになりました。っつーか、本体容量がかなり増量されたことで、ホントにちょっとしたストレージとして非常に便利に使えてます(^^)。
さて、外見的な部分はこんなトコロでしょうか。
ここからは実際の動作について触れてみたいと思います。
@動作全般
本体ストレージの変更に伴い、ファイルタブ等での表示が「本体メモリー」から「本体ディスク」に名称が変更されました。
本体ディスク
さらに、本体へのソフトウェア追加時は、「本体メモリー」ではなく、本体ディスク内に確保された ext2領域 (後述)、「プログラムエリア」にインストールするよう仕様が変更されています。
プログラムエリア
実際の各アプリケーションの動作ですが、動作速度自体が SL-C760と比べて明らかに早くなった感があります。
と言うか、SL-C700 -> SL-C760の時と同じように、さらにもたつきが解消されたって感じでしょうか。
確かに、ストレージに HDDを使用するようになったため、 HDDが待機状態に入っている際(省電力化の関係か、結構マメにオフになります。)は、スピンアップの時間が加わるため、一瞬ひっかかる感を味わうことがありますが、実際に動作しだすと特にストレスを感じることはありません。
総じて、よりシステム周り全体がブラッシュアップされたな、って感があります。
*2004/11/22追記
通常のアプリケーション使用時には、余り関係無い・・・と言うか、そもそも気がつきようが無いと言う話もありますが、さり気に 3ボタン以上の同時押しに対応する様になりました。
これで、カーネル入れ替えしなくとも、ゲーム等で Bボタンダッシュ等の操作が可能に(爆)。
@ホーム画面
基本的な見た目や動作に差異はありませんが、QTメニューに「ファイル」が追加されました。
選択すると、瞬時にファイルタブ(ファイルランチャ)に画面が切り替わります。
QTメニュー
@ユーザ辞書
毎度の辞書解析です(^^;)。
とりあえず、ユーザ辞書に関しては大きな変更はありません。
これまでと同じく、いつものユーザ辞書移行技も OKです。
ただ、登録単語数が1000語までと言う制限も、そのまんま引き継いじゃってます。ええ加減何とかしましょうよ〜(涙)。
*2004/11/22追記
上記のようにユーザ辞書の構造、ファイル構成に変化は無いのですが、唯一、連想変換/辞書学習の内容を記録する kogatagaku.datのみ配置が変更されています。
今までは、辞書データ本体と同じ /home/QtPalmtop/dic/に配置されていたのですが、SL-C3000では /home/zaurus/Settings/以下に変更されています。
そのため、当サイトで公開しているユーザ辞書学習機能を停止させるパッケージ gakuoffは、現在 SL-C3000では使用出来ません。
ファイル名自体に変更は無く、単純にパス名指定だけの問題で、対応は容易ですので、時間が取れ次第、対応する予定です。
@マルチメディア辞書&翻訳これ一本
内蔵の電子辞書はマルチメディア辞書と名前が変わりました。
アプリケーション自体、完全に別物ではありますが、国語・英和・和英から一括して、検索する仕様などは基本的に同じです。内蔵辞書ならではの、他アプリケーションとの連動についても健在で、まぁ、概ねそのまんま旧・電子辞書のバージョンアップ版と捉えて良いかと思います。
なお、他アプリケーションとの連動ですが、少々仕様が変更されています。
これまでは、アプリケーションを常駐(高速起動)させた上で、タスクバーを介して検索する単語を引き渡していました。
が、今回は、液晶横のハードウェアキーに辞書ビューワの起動が割り当てられており、ここから辞書を起動すると、他アプリケーションで範囲選択した内容を自動的にコピー&ペーストして、辞書ビューワに引き渡すと言った仕様になっています。
赤丸部分で辞書起動
この仕様変更に伴って、辞書ビューワを高速起動に設定していなくても、他アプリケーションとの連動が可能となりました。メモリ利用効率の点から言っても、これは非常に大きな進化だと思います(^^)。
また、学研の GDBase形式の辞書ではなくなってしまった(?)ワケではありますが、なんか今回の辞書ビューワにも怪しげなメニューが・・・。
辞書選択
見ての通り、新たな辞書の追加も出来るようで。これは、また調べてみるしかないか?(笑)。
なお、電子辞書(マルチメディア辞書)のデータの収録場所は
/home/QtPalmtop/dict1 (翻訳/英和・和英)
/home/QtPalmtop/dict2 (広辞苑)
になりました。
この構成見ると、翻訳ソフトと英和辞典が共通の辞書データ使ってることが良く分かります(笑)。
以前は、ユーザ辞書のデータから何から、全部 /home/QtPalmtop/dic/ にごちゃ混ぜだったんで、ごっつうわかりやすくなりました(笑)。
*2004/11/22追記
各所の報告等を見る限り、内蔵辞書の形式は Zten等と同じ EPWING形式になっているそうです。
既に、追加辞書の動作報告等も上がってるようで・・・、やるコト減って良かった(^^;)。
@NetFront
ネットフロントそのもののバージョンが 3.1に上がったこともあり、メニュー構成等が変わりました。
SL-C760
SL-C3000
また、アプリケーション全体の動作自体もかなり軽くなった感があります。
例によってウィンドウ五枚立ち上げた上で、バックで MP3鳴らすなんてのも、おちゃのこさいさいです(^^;)
あ、ちなみに、いちいち高速起動はオフにしなくても、ちゃんと設定変更が反映されるようになりました(笑)。
細かい差異は色々とあるんですが、使っていて一番とまどうのは、画面上のリンクへのフォーカス当たる規則が変わったことではないかと思います。
今までは、Tabキーを押すと、「常に画面上の最上部のリンク」にフォーカスが当たりました。
ところが、今回は「未フォーカスの場合は画面の最上部のリンク」に当りますが、既にページ内でどこかにフォーカスが当っていると、「画面の表示に関わらず、次のリンクにフォーカスが当たる」ように微妙に動作が変わっています。
今までの間隔で、 Tabキーでフォーカスを当てようとすると、あさっての方向に画面が切り替わり、面食らうかもしれません。・・・っていうか、面食らいましたよ、ええ(^^;)。
このへん、キー操作だけでブラウジングしてる時は、任意の位置にフォーカスをコントロール出来なくなったんで、若干使いづらくなった感は否めません。
いや、一旦当てたフォーカスを外す=未フォーカスの状態にさえ、キー操作で出来れば、あっさり問題は解決するワケではあるんですが(^^;)。
@アクセスポイント(AP)に接続出来ない?
さて、基本的なネットワーク周りの動作に問題は無いのですが、何故か一つ SL-C3000になって、不可思議な不具合が一件発生しています。
今まで使っていた、 CF型無線LANカード [ BUFFALO WLI-CF-S11G ] を装着し、これまでと同じく AP [ ELECOM LD-WBBRA/AP ] に接続しに行ったところ、 APそのものは見つけているものの、何故か電波を検出出来ず、接続が行われません。
無線LANカード側を差し替えて、いくつか試してみましたが、どのカードでも同じ症状が発生します。
逆に、 SL-C760に同じカードを装着し、同APへ接続動作を行うと問題なく接続されます。
なお、他の手持ちの他社の AP [ IOデータ WN-B11/AXP,corega WLAP-11 V2 ] では全く問題は発生しませんでした。
さらに、それらの他社の APで接続動作を行い、 ESS-IDを合わせた上でローミングさせると、何故か問題なく通信出来てしまいます(^^;)。
純粋に、 AP-NIC間のネゴシエーションに何か問題があるようで・・・。
まぁ、、この場合 Wi-Fi認証も取ってない、古い ELECOMの AP側に問題あるのかもしれませんが、そういった古い APを使って無線LAN環境を構築している人は、注意が必要かもしれません。
@動画関係
ビデオチップが変わったってことで、どうなるか不安半分、期待半分だったんですが、再生環境は飛躍的に向上しました\(^o^)/。
フレームレート自体がかなり上がってるようで、同じデータを再生した場合、以前と比べ、より滑らかな動きになっているのが分かります。
また、もっと分かりやすい部分として、フルスクリーン再生(QVGA)とVGA画面の切り替えや、連続再生時の次ファイルへの切り替え等が非常に機敏になってます。
また、特筆事項として SL-C700以来の MPEG1の再生が復活しました。
さすがに、フルレートとはいかないようですが、 SL-C700の時と違って、それなりの品質では再生されます。まぁ、概ね実用範囲内ってトコでしょうか。
そして、さらに目玉、何と MPEG2データも再生出来ます(!)。
東芝のDVDレコーダー、 RD-XS53で録画した映像ビットレート 1.0Mbps、音声リニアPCMの動画データ(VR_MOVIE.VRO)をコピーし、拡張子を .mpgに変更すると、そのまま再生されます。なお、ドルビーAC3の音声はさすがに無理でした、残念(^^;)。
品質的には、 MPEG1の再生よりも、さらにちょっと重いかな?ってトコですが、音飛びは発生せず、普通にフレームドロップされて再生されます。ドロップすると言っても、まぁそれなりには再生されます。映像確認には充分ってカンジです。
・・・つか、SL-C700の時の MPEG1再生よりか、このMPEG2再生のが、遥かにまとも(大笑)。
ただ、再生中ずっと「ブッ、ブブッ」と耳障りな音声ノイズが発生します。まぁ、このへんは保証外の再生なんで、しゃーないとは思いますが。
とりあえず、再生品質が格段に向上し、より多くのフォーマットの再生が可能になったこと、さらに HDDを内臓したことで、モバイルメディアプレイヤーとしては格段に使い易くなったと思います。
しかし、こーなると、何故か MoviePlayerの高速起動が出来なくなったのが、気になって仕方がありませんな(^^;)。(C760は出来る)
@音声関係
文字通り、 SHARP公式でも目玉機能の一つ、 WMA形式のデータが再生出来るようになりました(^^)。
ただ、再生出来るビットレートには制限があるようです。
やたらと高いビットレートのデータが再生出来ないのは分かるのですが、逆により低いビットレートのデータも正常に再生出来なかったりします。その場合、何というか、いわゆる延びたアナログテープみたいな音声になっちゃいます(^^;)。
まぁ、極々普通にエンコードしたデータ聞いたりする分には、さほど問題にはならないのですが、いわゆるネットラジオでストリーム配信されてるようなデータ等はビットレート的に、このへんの制限にかちあたる場合があったりします。
つか、そのものずばり、某ネットラジオ再生しようとして、まさに失望する羽目に(涙)。
ま、聴けるサイトは問題なく聴けるんですけどね。
ネットラジオの場合は、大体サイト全体で配信レートの幅が固定化されてる場合が多いんで、聴けるトコのは全部OK。アカンとこはさっぱりってなカンジですね(苦笑)。
このへん、どっからどこまでが再生範囲内なのかは、シャープ公式の Q&Aでも公開されていますが、いっぺんちゃんと調べときたいトコではありますな。
@ターミナル *2004/11/22追記
ターミナルは SL-C760等と同じく標準ではインストールされておらず、添付の CD-ROMにパッケージが収録されています。
ただ、この CD-ROMに収録されている標準のターミナルは、何故かショートカットを新規に作成しても QVGA表示が不可になっているようです。
まぁ、他の embeddedコンソール等を使う分には今まで通り QVGAで動作させることが出来ますので、大した問題でもないのですが・・・。
また、 awk(gawk)、fdisk 等、いくつかのコマンドライン系のツールが追加されています。
このへんは、後から随時追加することも可能ですが、あらかじめ標準で搭載されているのは何かと便利だと思います。
@Java(J2ME)環境 *2004/11/22追記
Javaの実行環境についてですが、今回からは標準で搭載されておらず、添付の CD-ROMにもパッケージなどが収録されていません。
ただし、 SL-C3000で動作する JAVA(J2ME)環境については、サン・マイクロシステムズの Java Developer Connectionから、無償でダウンロードが可能です。
ダウンロードしたファイルは、 zip形式で圧縮されていますが、解凍すると ipkg形式のファイルが収録されており、そのままインストール可能なパッケージとなっています。
サイトマスターのにゃののん氏が確認した限り、悠さんのサイトで紹介されている SL-C700にJ2ME環境を導入する手順に従い、この J2ME環境を導入したところ、同サイトで公開されている JFtp等が SL-C3000でも動作したとのことです。
@内臓HDDについて
さて、もう分解しちゃった方なんかもいてはるみたいですが(爆)、とりあえずそっちは置いといて、こちらは中身の方について、いくつか見てみた内容をメモっときたいと思います(笑)。
とりあえず、df〜(^^;)。
dfの結果
これを見る限り、内蔵HDDの実体が /dev/hdaにあることが分かります。
さらに、この内蔵 HDDは3パーテーションに分割されており、
/hdd1 <--- /dev/hda1
/hdd2 <--- /dev/hda2
/hdd3 <--- /dev/hda3
にそれぞれマウントされています。
各々のパーティションですが、 hdd3は FAT形式、 hdd1、hdd2は ext2形式でフォーマットされているようです。
多分、 hdd2がプログラムエリア、 hdd3がユーザエリアにあたるんでは無いかと思います。
実際に調べてみると、
/home/ ---> /dev/mtdblock3
/home/QtPalmtop ---> /hdd2/QtPalmtop
/home/zaurus/Applications ---> /hdd3/Applications
/home/zaurus/Documents ---> /hdd3/Documents
と各々がシンボリックリンクで、各所に配置される格好となっています。
逆に、/home/zaurus/Settings はシンボリックリンクで飛ばされず、そのまま本体メモリー内に配置されるため、巧いこと ext2のフィールドに残る型になってるワケですな。
なんつーか、リンクの魔術使いまくり(^^;)。
なお、 hdd1はリードオンリーとなっていますが、 hdd2はプログラムエリアとされていることから分かるように、読み書きが可能です。容量的にも 300MB近くの容量が確保されているので、ext2環境が必要な場合はこの領域を活用すると良いかと思います。