りなざうとA5504Tで快適Bluetoothライフ(2005/02/22)

私は、ダイヤルアップ通信端末に対して、下記のような要望を持っています。

Bluetoothは、私のこれらの要望に対する回答の一つであると考えています。
(マニアックな回答として、Paldio 632P+P-in(白ロム)というのも考えていましたが(^^;))

現在までに発表されている(いた)、Bluetooth対応通話端末は下記の通りです。

これらのうち、現在購入可能なのは、A5504Tだけです。(Paldio 633S・C413Sは既に生産終了、F900iTは発売日未定(夏頃?)(2004/06/12現在))

...と、いう訳で買っちゃいました、A5504T(^^)
本コンテンツは、こいつとBluetooth対応CFカードを利用して、りなざうで快適ダイヤルアップ生活を実現するまでの手順です。
最初の設定はやや煩雑ですが、一度設定してしまえばとっても楽チンですよ♪

(2004/09/09追記)
通りすがりさんから、有益な情報が寄せられました!!
3.ダイヤルアップ設定で作成される赤外線経由のダイヤルアップ設定ファイル(「IRDA〜」で始まるファイル)に、下記のように記述を追加すれば、 F900iT でもダイヤルアップが出来るそうです(^^)

noipdefault
/dev/rfcomm0 115200
asyncmap 800000
connect ...
:

※尚、上記手順については、当方では未検証です(ただの覚書に過ぎません)。
 詳細は、掲示板のスレッド「HNT-CFBT + F900iTで接続成功」をご参照ください。

(2005/01/18追記)
Vodafone 702NKでも、接続に成功したとの情報がありました(既に旧聞ですが...)。
これで、一応全キャリアOKですね(^^)
注意ポイントは、V702NK側で機器アドレスが確認出来ないということになりますが、これは「1.Bluetooth管理AP、及びデバイスドライバのインストール」を済ませた後、先に「4.Bluetoothカードの認識」を行い、その後V702NKをBluetooth待受け状態にしておいて、以下のコマンドを実行すれば、確認することが出来ます。

$ hcitool scan
Scanning ...←しばらく時間が掛かります
	00:11:22:33:44:55	V702NK←機器アドレスと機器名

その後、改めて「2.初期設定」以降を実施します。
※但し、V702NKでは、DUNチャンネルは"3"になるそうです。

※尚、上記手順については、当方では未検証です(ただの覚書に過ぎません)。
 詳細は、掲示板のスレッド「V702NKでもBluetooth接続可能」をご参照ください。
Vodafone 802SEVodafone 902SHについて、上記手順で接続出来るかどうかは未確認です。

(2005/01/18追記)
Sharp SL-C3000の場合、カーネルが異なるため、「1.Bluetooth管理AP、及びデバイスドライバのインストール」で入手すべきパッケージが異なります。
詳細は、掲示板のスレッド「SL-C3000でBluetoothダイヤルアップ接続に成功」をご参照ください。
...まぁ、この辺はSL-C3000ユーザのTAKETYON氏がフォローしてくれるだろうと期待(^^;)


※以下の手順は、Zaurus User Groupを大幅に参考にさせて頂きました。
 (てゆ〜か、書いてある通りのことをやっているだけです(--;))

0.用意するもの

1.Bluetooth管理AP、及びデバイスドライバのインストール

りなざうには、標準ではBluetoothデバイスのドライバモジュールが含まれていないため、別途インストールする必要がある。
また、Bluetoothを管理するためのAPとして、bluezをインストールする必要がある。

下記パッケージは、ドライバモジュールとbluez、サポート用設定ファイル等がセットになっている。

ipkなので、「設定」→「ソフトウェアの追加と削除」で簡単にインストール可能。

2.初期設定

インストール後、Bluetooth管理AP(bluez)に対して、以下の情報を入力する必要がある。
今回インストールしたパッケージでは、上記情報は直接設定ファイルに入力する必要がある。
以下はテキストエディタに vi を使用する場合の手順。

  1. 「アプリケーション」→「ターミナル」を選択、ターミナルを起動する。
    ※他のターミナルソフトでも良い。

  2. スーパーユーザになる。
    (初期設定ではパスワードは設定されていません。)
    $ su -
    # 
    

  3. /etc/bluetooth/rfcomm.confを編集する。
    # vi /etc/bluetooth/rfcomm.conf
    
    以下が機器アドレスとDUNチャンネルに関する記述。
    :
    # Bluetooth address of the device
    device 00:11:22:33:44:55;←機器アドレス
    
    # RFCOMM channel for the connection
    channel 1;←DUNチャンネル
    
    :
    
    機器アドレスを、通信先機器(今回はA5504T)の機器アドレスに変更する。
    また、通信先機器がA5504Tの場合は、DUNチャンネルを"8"に変更する。

  4. /etc/bluetooth/pinを編集する。
    # vi /etc/bluetooth/pin
    
    1234←PINコード
    
    PINコードを、任意の数字(4桁)に変更する。

  5. /etc/bluetooth/givepinを編集する。
    # vi /etc/bluetooth/givepin
    
    ##############givepin########
    #!/bin/sh
    echo "PIN:1234"←PINコード
    ################
    
    PINコードを、/etc/bluetooth/pinに設定した数字と同じ数字に変更する。

3.ダイヤルアップ設定

今回はBluetoothでのダイヤルアップ接続が目的なので、りなざうにプロバイダへのダイヤルアップ設定を行う必要がある。
しかし、標準のダイヤルアップ設定ツールでは、残念ながらBluetoothデバイス経由のダイヤルアップは設定出来ない。
そこで、赤外線経由のダイヤルアップとして一旦設定を行った後、設定ファイルを直接編集して、Bluetoothデバイス経由のダイヤルアップ設定に変更することにする。
※設定ファイルを直接編集した後に標準のネットワーク設定ツールを使用してダイヤルアップ設定を変更すると、赤外線経由のダイヤルアップ設定に戻ってしまうので、注意すること。

今回は、au標準のプロバイダである、「au.NET」でダイヤルアップ接続を行うことにする。

  1. 「設定」→「ネットワーク設定」から、ネットワーク設定ツールを起動する。
    slc760_01

  2. 「ネットワーク接続」から、「ダイヤルアップ接続」を選択して、「追加」をタップする。
    slc760_02

  3. 「新規接続作成」から、「PPPダイヤルアップ接続[赤外線]」を選択、「選択」をタップする。
    slc760_03

  4. 「PPPダイヤルアップ接続[赤外線]」から、タブ「接続先」を選択、以下の情報を入力する。
    slc760_04

    名前 (任意)
    ユーザー名 au@au-net.ne.jp
    パスワード au
    電話番号 9999

  5. 「PPPダイヤルアップ接続[赤外線]」から、タブ「ネットワーク」を選択、以下の情報を入力する。
    slc760_05

    ネームサーバの自動検出 (チェックしない)
    プライマリーDNS 210.196.3.183
    セカンダリーDNS 210.141.112.163
    IPアドレスを自動的に取得 (チェックする) ※デフォルト

  6. 「PPPダイヤルアップ接続[赤外線]」から、タブ「モデム」を選択、以下の情報を入力する。
    slc760_06

    初期化コマンド ATZ ※空白でも良いが、念の為に初期化する。
    ダイヤル方式 トーン ※デフォルト

  7. 「PPPダイヤルアップ接続[赤外線]」から、タブ「プロキシ」を選択、以下の情報を選択する。
    slc760_07

    プロキシを使用しない ※デフォルト

  8. 「PPPダイヤルアップ接続[赤外線]」から、右上の「OK」(または【●OK】キー)を押し、新規接続作成を終了する。

  9. 「ネットワーク設定」から、設定が追加されたことを確認、右上の「×」(または【×CANCEL】キー)を押し、ネットワーク設定を終了する。
    slc760_08

  10. 「アプリケーション」→「ターミナル」を選択、ターミナルを起動する。

    ※他のターミナルソフトでも良い。

  11. スーパーユーザになる。
    (初期設定ではパスワードは設定されていません。)
    $ su -
    # 
    

  12. 上記で作成した赤外線経由のダイヤルアップ設定ファイルを編集する。
    「IRDA〜」で始まるファイル名が、赤外線経由のダイヤルアップ設定ファイル。
    # ls /etc/ppp/peers/
    :
    IRDA1234567890←ファイル名を確認
    :
    # vi /etc/ppp/peers/IRDA1234567890←上記で確認したファイル名
    
    noipdefault
    115200
    connect ...
    :
    
    デバイスファイルの指定を追加する。
    /dev/rfcomm0(Bluetoothダイヤルアップ通信用デバイス)を指定する。
    ※以下では回線速度の前に挿入しているが、先頭行に書いても良いらしい。
    noipdefault
    /dev/rfcomm0 115200
    connect ...
    :
    

4.Bluetoothカードの認識

Bluetooth関連のプロセスを再起動して、Bluetooth CFカードを認識することを確認する。

  1. りなざうを再起動する。
    ※Bluetooth CFカードを挿入した後、下記コマンドでBluetooth関連のプロセスのみ再起動しても良い。
    # /etc/rc.d/init.d/bluetooth restart
    

  2. Bluetooth CFカードを挿入する。
    認識されると、右下にCFカードのマークが表示される。
    ※今回使用したHNT-CFBTは、設定ファイルの改変等を行うことなく認識する。
    他のカードの場合(
    Socket BL4508-309等)、設定ファイルの改変等が必要な場合がある。

5.ダイヤルアップ接続

以上でBluetoothダイヤルアップ接続は終了。
後は通信先機器(A5504T)をBluetooth接続待受け状態にして、通常と同じ手順でダイヤルアップするだけである。
※初回接続時のみ、通信先機器(A5504T)でのPINコード認証が必要となります。
  1. A5504TをBluetooth接続待受け状態にする。
    a5504t_04a5504t_05
    【Bluetoothキー】を長押しすれば、Bluetooth接続待受け状態になります。
    (画面上部にBluetoothのマークが出ます、写真では見えにくいですが...)
    ちなみに、再度【Bluetoothキー】を長押しすれば、Bluetooth接続待受けが解除されます。

  2. ダイヤルアップする。
    (ネットワークアイコンをタップする等、)通常の手順でダイヤルアップします。
    a5504t_06a5504t_07a5504t_08
    初回接続時は、認証のためにA5504T側でPINコード入力画面が表示されるので、「
    2.初期設定」で指定したPINコードを入力、OK(【ワープファンクションキー】を押します。
    認証が完了すると、通信が確立します。
    二回目以後は、接続先情報に情報が登録されるため、入力は不要となります。
    (登録情報は、メニュー「Bluetooth設定 M935」→「接続相手リスト」で確認可能です。)
    a5504t_09

6.電源OFF/ON時にカードを再認識させる

ここまでの段階で既にダイヤルアップは出来るようになっているが、一点だけ、使い勝手の面で問題がある。
電源OFF/ON時(実際にはサスペンド/レジューム時)に、Bluetooth CFカードを認識しなくなってしまうという問題である。
(恐らくBluetoothのモジュールが標準でインストールされているものではない為と思われる)
カードを抜差しすれば再認識させることが出来るが、このままでは如何にも不便である。
そこで、サスペンド/レジュームの制御ツールを導入して、電源ON/OFF時に自動でカードを再認識させることにする。
(三つのパッケージを順番にインストールするだけなので、非常に簡単である)

  1. sudoのインストール
    下記でインストールするサスペンド/レジュームの制御ツールは、sudoが無いと正しくインストール出来ないので、予め入手・インストールする。

    ipkなので、「設定」→「ソフトウェアの追加と削除」で簡単にインストール可能。

    ※sudoは、上記パッケージでないと、上手くいかない可能性が大。
    例えば、下記パッケージで試すと、サスペンドが出来なくなって大変なことになった(--;)

    既に他のsudoを導入している場合は、入れ直す必要があるかもしれない。

  2. サスペンド/レジュームの制御ツールのインストール
    サスペンド/レジューム時に様々なコマンド実行を行うことが出来るツールを入手・インストールする。

  3. Bluetooth CFカードの制御スクリプトのインストール
    上記ツールに対応した、Bluetooth CFカードのサスペンド/レジューム時の制御スクリプトを入手・インストールする。

  4. 動作テスト
    電源OFF/ONした後に再度ダイヤルアップ接続が出来ることを確認する。
    ※電源ON時に一旦画面下部のCFカードの表示が消えて、再度表示されるようになる(数秒時間がかかる場合がある)。


参考:

謝辞:

2chの「SL−C系ザウルス part79」における、426番目のレスを返した人(^^)
このテキストがあるのは、貴方のお陰です★

おまけ:

auはパケット代が非常に高いです。使い過ぎには注意しましょう(^^;)
auのパケット料金に関する考察は、下記サイトが詳しいでしょう。
(前のコンテンツでは私も考察を書いていましたが、こちらの方が良いコンテンツだと思いますので...)


ちなみに暫定版コンテンツはこちら(^^;)

この駄文に責任を持たない人(ええ、持ちませんとも!!): たむたむ

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